天井裏から、夜中に小さな鳴き声が聞こえる。
重たい足音は前からあったのに、最近は昼間も物音が続く。
ハクビシンが屋根裏で子育てを始めたのかもしれません。
この記事でわかること
- ハクビシンの住処(すみか)と、屋根裏が巣に選ばれる理由
- 繁殖期と一度に産む数(国や都の資料で確かめた数値)
- 子どもがいるときにやってはいけないことと、追い出しに向く時期
ハクビシンの出産期は3〜12月と長く、屋根裏のねぐらが出産場所になることがあります。
子どもがいる間に親だけ追い出してふさぐと、子どもが取り残されます。まずは子育て中かどうかを確かめてください。
ハクビシンの住処(すみか)と巣
昼は屋根裏や木のうろで休む
ハクビシンは夜行性で、昼間は休んでいます(国立環境研究所)。
休む場所は、木のうろ(幹にあいた穴)や岩穴、人家の屋根裏などです。
東京都も、納屋や家屋、寺社の屋根裏などで休むと説明しています。
ねぐらは1か所ではない
農林水産省のマニュアルによると、ハクビシンはねぐらを建物の中に作ることが多い動物です。
ねぐらは行動範囲の中に複数あり、転々と移りながら暮らしています。
夜中に一度休み、朝方までエサを探すため、エサ場の近くにねぐらを作るとのことです。
狙われやすいのは静かな天井裏
同じマニュアルは、ねぐらになりやすい建物を「人気のない天井裏がある木造家屋」としています。
次のような家は、とくに気をつけておきたいところです。
- 使っていない部屋の上に、広い天井裏がある
- 増築した部分の継ぎ目にすき間がある
- 庭や近所に、実のなる木や畑がある
東京都によると、8cm四方のすき間にも入り込みます。
巣の場所はシミとフンでわかることも
ハクビシンには、同じ場所にまとめてフンをする「ため糞」の習性があります。
そのため天井板が変色してシミになることがあります(酒田市)。
シミが広がる真上に、ねぐらやトイレの場所があると考えられます。

ハクビシンの繁殖期はいつ?
公的な資料に書かれている繁殖の情報は、次のとおりです。
| 資料 | 書かれている内容 |
|---|---|
| 国立環境研究所 | 出産期は3〜12月。一度に産む数は1〜4頭 |
| 東京都環境局 | 一年中繁殖が可能で、出産は年に1回。一度に約1〜4頭 |
| 農林水産省 | ねぐらは、時期によっては出産場所ともなる |
出産期は春から冬の入り口まで
国立環境研究所の出産期は3〜12月です。春だけ気をつければよい、というわけではありません。
東京都は、一年中繁殖が可能としています。出産は年1回でも、その時期は個体によって違うと考えてください。
静かなねぐらで、ひそかに子育てする
農林水産省のマニュアルには、静かで最も安心できるねぐらが出産場所に選ばれるとあります。
人の出入りが少ない天井裏は、この条件に当てはまりやすい場所です。
妊娠期間や独立の時期は?
妊娠期間や、子どもが親から離れる時期の公的な数値は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。
ネットには具体的な日数や月数を書いた情報もありますが、この記事では書きません。
アライグマとの違い
屋根裏で子育てする動物には、アライグマもいます。東京都の説明を並べると、次のとおりです。
| 動物 | 出産の時期 | 一度に産む数 |
|---|---|---|
| ハクビシン | 一年中繁殖が可能(年1回) | 約1〜4頭 |
| アライグマ | 主に春から初夏。夏以降の繁殖も確認 | 約1〜6頭 |
アライグマの対処は、別の記事で扱っています。

屋根裏で子育てしているサイン
次のような様子があれば、子どもがいる可能性を考えてください。どれも編集部の考える目安で、決め手にはなりません。
- 小さく高い鳴き声が、夜も昼も聞こえる
- 親が出かけたはずの夜中にも、軽い物音が続く
- 同じ場所で、物音が何日も続く
- 天井のシミやにおいが、急に強くなった
ハクビシンは夜にエサを探しに出ます。親の足音が消えたあとの物音は、子どもかもしれません。
天井裏をのぞくときの注意
点検口から懐中電灯で照らす程度にとどめ、天井裏には上がらないでください。
天井板は人が乗る造りになっていないことが多く、踏み抜くおそれがあります。
厚生労働省は、動物のフンや尿に直接触れない、吸い込まないよう注意をよびかけています。のぞくときはマスクと手袋をつけてください。
子どもがいるときにやってはいけないこと
親だけ追い出して、すぐふさぐ
子どもは自分では外に出られず、天井裏に取り残されます。
中で死ぬと、強いにおいの原因にもなりかねません。
子どもを残された親が、戻ろうとして別の入り口を探すことも考えられます。
子どもを素手でつかむ・捕まえる
ハクビシンは鳥獣保護管理法の対象で、捕まえるには原則として許可が必要です。子どもでも扱いは変わりません。
住宅の敷地内の例外はありますが、扱いは自治体で異なります。捕まえる前に市区町村に確認してください。
素手で触ると、フンや尿、ダニに触れるおそれもあります。

燻煙剤を焚く
煙で追い出す方法は、子どもがいるときには向きません。
親だけが逃げ、動けない子どもが残るおそれがあるからです。
追い出しに向く時期
子育てが終わるのを待つ
国分寺市は、子育てが終わると自然に出ていく傾向があると案内しています。
子どもの気配があるうちは、無理に追い出さないでください。自治体か業者に相談しながら待つのが安全です。
冬なら子どもはいない?
国立環境研究所の出産期(3〜12月)で見ると、1〜2月は出産期に入っていません。
ただ東京都は、一年中繁殖が可能としています。冬でも、鳴き声や物音で子どもがいないかを確かめてから動いてください。
出ていったのを確かめてからふさぐ
追い出しからふさぐまでの手順は、「ハクビシンを屋根裏から追い出す方法」にまとめています。

子育てが終わったあとにやること
入り口をふさいで、次の出産場所にさせない
ハクビシンはねぐらを転々とします。空いたねぐらに、また別の個体が入ってくるかもしれません。
東京都も、追い出した個体が別の家に移って被害が続くおそれを指摘しています。
農研機構の実験では、幅6cmあれば、6×12cmの横長のすき間も通り抜けました。
正方形なら一辺8cm、円なら直径9cmで通れます。網の目はこれより十分に細かいものを選んでください。
巣のあとのフンを片づける
子育てのあとのねぐらには、フンや尿がたまっていることが多いものです。
片づけは点検口から手の届く範囲だけにし、奥は業者に任せてください。

業者に頼んだほうがいいケース
子育てがからむと、自分では判断しにくい場面が増えます。
- 天井裏から子どもらしい鳴き声が続いている
- 子育てが終わったのか、まだいるのかがわからない
- 子どもが中で死んでいるかもしれない
- ねぐらが点検口から見えない奥にある
業者に、天井裏の中から子どもの有無を確かめてもらう方法もあります。
見積もりでは、作業の範囲と、再発したときの保証を確かめておくと安心です。対応地域は業者ごとに違います。
よくある質問
ハクビシンの赤ちゃんを家のまわりで見つけたら?
近くに親がいることが考えられます。触らず、その場を離れてください。
扱いに迷うときは、市区町村の環境担当の窓口に相談してください。
子どもは何頭くらい生まれますか?
国立環境研究所と東京都の資料では、一度に1〜4頭ほどです。
ハクビシンの繁殖期は春だけですか?
春だけではありません。国立環境研究所は出産期を3〜12月、東京都は一年中繁殖が可能としています。
巣を作らせないためにできることは?
基本は、エサになる果実や生ごみを外に置かないことと、すき間をふさぐことです。
屋根にかかる枝を切っておくと、屋根に上るルートも減らせます。
庭や家のまわりでの予防は、「ハクビシン対策・撃退方法まとめ」で扱っています。

賃貸住宅の屋根裏で子育てされたら?
侵入口をふさぐのは、建物に手を加える作業です。自分で動く前に、大家さんか管理会社に連絡してください。
子どもの鳴き声がすることも、あわせて伝えておくと話が早く進みます。
業者に頼むと、子どもがいてもすぐ追い出されますか?
対応は業者によって違います。見積もりの段階で、子どもがいたときの扱いを聞いておくと安心です。
子育てが終わるのを待つのか、子どもも含めて対応するのか、作業の順番を確かめてください。
まとめ
- 出産期は3〜12月(国立環境研究所)と長く、屋根裏のねぐらが出産場所になる
- 子どもの気配があるときは、親だけ追い出してふさがない
- 子育てが終わったら、数cmのすき間も金網でふさいで次の巣にさせない
まずは夜と昼に、天井裏から小さな鳴き声や軽い物音がしないか、数日聞いてみてください。
子どもがいそうなら、自分で追い出す前に自治体か業者に相談するのが安全です。
