天井裏から夜な夜な足音がする。
台所の隅に、黒い小さなフンが落ちていた。
ネズミ駆除を調べると、粘着シート、毒エサ、超音波、業者と選択肢が多く、どれから手をつけるか迷います。
この記事でわかること
- ネズミ駆除の4つの方法と、それぞれが向いている場面
- 失敗しにくい順番(確かめる→捕まえる→ふさぐ)
- 自分で続けるか、業者に頼むかの目安
家ネズミ3種(ドブ・クマ・ハツカネズミ)は、許可なく捕まえてかまいません。
基本は、捕まえてから侵入口をふさぐ流れです。
天井裏の奥や高い場所の穴など、手が届かない部分は業者に任せる方法もあります。
ネズミ駆除の方法は4つ
まず全体像です。方法ごとの特徴を表にまとめました。
| 方法 | 主な道具・手段 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 捕まえる | 粘着シート、捕獲かご、殺鼠剤 | 家の中にすでにいる |
| 追い出す | 燻煙タイプの忌避剤、置き型の忌避剤 | 捕獲の補助、戻りにくくしたい |
| ふさぐ | 金属タワシ、金網、パテ | 捕獲・追い出しが済んだあと |
| 業者に頼む | 調査、捕獲、封鎖、清掃 | 手が届かない、何度も再発する |
東京都の多摩府中保健所は、対策の三本柱として次の3つを挙げています。
- えさを与えない
- 巣を作らせない
- 侵入口をふさぐ
道具で捕まえるだけでは、また別のネズミが入ってきます。
食べ物の片付けと侵入口の封鎖まで、セットで考えておくのが駆除を成功させる近道です。
順番をまちがえると失敗しやすい
ネズミ駆除は、次の順番で進めます。
- ネズミかどうかを確かめる
- 家の中のネズミを捕まえる(または追い出す)
- いなくなったのを確かめてから、侵入口をふさぐ
墨田区は、いきなり侵入口を全部ふさがないよう注意しています。
中にいるネズミが天井裏や床下で死に、悪臭やハエが出ることがあるためです。
始める前に:本当にネズミか確かめる
自分で捕まえてよいのは家ネズミ3種
野生の動物は、鳥獣保護管理法で原則として許可なく捕まえられません。
ただし、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種はこの法律の対象外です。
一方、アカネズミなどの野ネズミは保護の対象になります。
天井裏の音がハクビシンやイタチなら、捕獲には原則として許可が必要です。扱いは自治体に確認してください。
ラットサインとフンで見分ける
ラットサインとは、ネズミが通った跡のことです。
渋谷区は、壁や柱の黒い汚れ、体毛、足跡、フンを挙げています。
フンの大きさは、中野区の案内では次のとおりです。
| 種類 | フンの大きさと形 |
|---|---|
| ドブネズミ | 10〜20mm。丸みがある |
| クマネズミ | 6〜10mm。細長く不ぞろいで散らばる |
| ハツカネズミ | 4〜6mm |
長さ4〜20mmほどの粒が通り道に落ちていれば、ネズミを疑います。
わが家の体験談
8月の夜、寝ていると天井裏で「パタパタ」と走る音がしました。
駆除業者に1階の天井裏を見てもらうと、長さ約1cmのフンが散乱していました。
ネットで各動物のフンと見比べて、自分でネズミだと判断しました。
フンから種類をしぼる方法は、別の記事でくわしく書いています。

方法1:捕まえる
家の中にいるネズミには、捕まえる方法が基本になります。道具は大きく3種類です。
| 道具 | 長所 | 注意点 |
|---|---|---|
| 粘着シート | 手軽で、シートごと捨てられる | 油や水で汚れた足には効きにくい(中野区) |
| 捕獲かご | 薬を使わない | 生きたまま捕まるので処理が要る |
| 殺鼠剤(毒エサ) | わなの見回りが少なくて済む | どこで死ぬかわからない |
粘着シートは通り道に何枚か並べる
渋谷区は、台所やラットサインのある壁際に、4〜5枚つなげて置く方法を紹介しています。
横浜市の案内では、粘着シートやかごは3日以上置くのが目安です。
選ぶときは、次の点を見ておくと迷いにくくなります。
- 何枚かつなげて置けるよう、枚数の多いセット
- 天井裏や家具のすき間に入る大きさ
わが家では、手袋をして置いた粘着シートで、約1か月後にネズミが捕まりました。
殺鼠剤は時期と種類に注意
殺鼠剤には、数日続けて食べさせるタイプと、1回で効くタイプがあります。
横浜市によると、クマリン系は4〜8日続けて食べて効果が出るタイプです。
置くときは、乳幼児やペットの手が届かない場所を選びます(船橋市)。
台東区によると、クマネズミは警戒心が強く、薬剤に抵抗力のある個体も増えています。
天井裏に多いのはクマネズミなので、殺鼠剤だけに頼るのは向きません。
道具の選び方、置き方、捕まえたあとの処分は、次の記事で手順ごとにまとめています。

方法2:追い出す
ネズミは追い出しより捕獲が基本
家ネズミは許可なく捕まえられるので、捕まえるほうが確実です。
追い出しは、捕獲の補助や、ふさぐ前の仕上げとして使います。
忌避剤・燻煙剤・超音波の位置づけ
忌避剤は、ネズミが嫌がるにおいで遠ざける薬です。天井裏で使えるネズミ用の燻煙タイプも市販されています。
超音波グッズも、寄せつけにくくするための道具です。
どちらも捕まえる道具ではないので、住み着いているなら捕獲と組み合わせます。
燻煙剤を天井裏で使うときの注意は、次の記事にまとめました。

墨田区が紹介する追い出しの手順
墨田区は、侵入口をふさぐ前に、次の手順で追い出す方法を紹介しています。
- 食べ物をしまい、流し台の水滴もふき取る
- 侵入口が複数あれば、最もふさぎやすい1か所を残してふさぐ
- 残した1か所を夕方に仮にふさぎ、翌朝早くに開ける
- これを2〜3日くり返し、夜に気配がなければしっかりふさぐ
ネズミは閉じ込められると警戒し、入ってこなくなる習性があるためです。
方法3:侵入口をふさぐ
1cmほどのすき間でも入る
中野区は、1cm程度のすき間や穴からでも出入りできるとしています。
多摩府中保健所の資料でも、1.2cmほどのすき間は通れるとされます。
ふさぐ場所と材料
よく案内されている場所と材料は、次のとおりです。
| 場所 | 材料の例 |
|---|---|
| 配管が壁を通る部分のすき間 | 金属タワシ、パテ |
| 床下の通気口 | 格子の補修、目の細かい金網 |
| 排水口・通気口 | 金網 |
材料は、多摩府中保健所が金属タワシ・亀甲金網・外壁用パテを例に挙げています。
屋根まわりや2階の外壁など、高い場所の穴は無理に自分で作業しないでください。
家のどこから入りやすいか、ふさぎ方の細かい手順は次の記事で扱っています。

天井裏・床下にいるときの要点
天井裏にはクマネズミ、床下にはドブネズミが多いとされます。
見えない場所で駆除するときの要点は、次の3つです。
- 天井裏は点検口からのぞく程度にとどめ、手が届く範囲にシートを置く
- クマネズミはわなにかかりにくいので、時間がかかる前提で待つ
- 毒エサは死骸の場所がわからなくなるので、冬以外は使わない
点検口からの確かめ方や、死骸・イエダニへの備えは専用の記事にまとめました。

自力で進めるときは、フンや死骸に素手でさわらないことが大切です。ネズミは、レプトスピラ症やサルモネラ症などを運ぶことがあります。
殺鼠剤を使う時期や、粘着シートの置き方にも失敗しやすい点があります。始める前に、次の記事で確かめておくと安心です。

業者に頼んだほうがいい場面
自力より業者が向いているケース
次のような場合は、業者に相談したほうが早く片付くことがあります。
- 天井裏や床下に入らないと、フンや通り道を確かめられない
- 何週間も置いても捕まらない、捕まえてもまた足音がする
- 侵入口が屋根まわりなど高い場所にありそう
- 配線をかじられていないか心配
横浜市は、ネズミが電線をかじると停電や火災の危険があるとしています。
わが家のように、天井裏を見てもらうのは業者、捕獲は自分と分ける方法もあります。
料金とトラブルの注意
料金は、家の広さや作業の範囲で大きく変わります。
国民生活センターは、ネズミ駆除を含む害虫・害獣駆除のトラブルに注意を呼びかけています。
- 極端に安い料金を表示する広告に注意する
- 複数の見積もりを比べる時間をくれない業者とは契約しない
- クーリング・オフができる場合がある
- おかしいと思ったら、消費者ホットライン188に相談する
公開されている料金の目安と、見積もりで確かめる点は次の記事にまとめています。

業者の対応エリアは会社ごとに違い、北海道・東北を対象外にしている業者もあります。
見積もりは2〜3社から取り、作業内容と再発時の対応を比べておくと安心です。
ネズミ駆除についてよくある質問
いちばん効果的なネズミ駆除の方法は?
家の中にいるなら、粘着シートなどで捕まえるのが基本です。
そのうえで食べ物を片付け、侵入口をふさぐところまでやると再発しにくくなります。
殺鼠剤だけで駆除できる?
ドブネズミには効きやすい一方、クマネズミには効きにくいとされています(台東区)。
天井裏で使うなら冬だけにし、粘着シートと組み合わせるのが無難です。
駆除に成功したかは、何でわかる?
新しいフンが増えない、夜の足音がしない、といった変化が目安になります。
フンを片付けておくと、新しいフンが出たかどうかが見分けやすくなります。
市役所や保健所で駆除してもらえる?
中野区は、区の事業としてネズミの駆除はしていないとしています。
ただし、道具の支援をしている自治体はあります。
- 中野区:粘着シートと毒エサを無料で配布(1家庭1回)
- 横浜市:各区の福祉保健センターで捕獲かごを貸し出し
- 墨田区:毒エサの配布と使い方の指導
お住まいの保健所や生活衛生課に確かめてみてください。
まとめ
- 家ネズミ3種は許可なく捕まえてよく、捕獲が駆除の中心になる
- 侵入口をふさぐのは、中のネズミを捕まえるか追い出したあと
- 天井裏の奥や高い場所の穴は、無理をせず業者に任せる
まずは手袋とマスクをつけて、フンや壁の黒い汚れがある場所を探すところから始めてください。
通り道がわかれば、粘着シートを置く場所も決まります。
