天井裏で物音がするけれど、動物がどこから入っているのかわからない。
家の外を見上げても、それらしい穴が見当たらない。
そんなときは、動物が通れる「すき間の大きさ」を知っておくと探しやすくなります。
この記事でわかること
- 動物ごとに、通り抜けられるすき間の大きさ
- 屋根裏への侵入口になりやすい場所と、そのチェック方法
- 自分でふさぐときの材料・手順と、失敗しないための注意
侵入口になりやすいのは、屋根と外壁のすき間や換気口、配管の穴などです。
ハクビシンは8cmほど、ネズミは1cmほどのすき間でも入り込みます。
ふさぐのは、動物がいなくなったのを確かめてからです。
屋根裏の動物が通れるすき間の大きさ
動物は、頭が入るすき間なら体も通り抜けられるといわれます。
自治体の案内にも「顔さえ入れば、小さな穴も通り抜けます」とあります。
動物別のすき間の目安
自治体や公的な研究機関が示している大きさは、次のとおりです。
| 動物 | 通り抜けられるすき間 |
|---|---|
| ハクビシン | 8cm四方、直径9cmの円 |
| アライグマ | 約10cm |
| イタチ | 直径3cm |
| ネズミ | 約1〜1.25cm |
| コウモリ | 約6mm |
農研機構の調査では、ハクビシンは6×12cmの長方形のすき間も通れました。
細長いすき間も通れるので、丸い穴以外も見落とさないようにします。
身近なもので大きさの見当をつける
メジャーがないときは、手元のもので見当をつけられます。
- 500円玉:直径約2.7cm。イタチが通れる穴を「500円玉より少し大きい程度」と説明する自治体もある
- たばこの箱:ハクビシンが通れるすき間を「たばこの箱くらい」と説明する自治体もある
- 小指の先:幅1cmほど。入るすき間ならネズミが通れる可能性がある(目安)
どの動物かによって、ふさぐべき穴の大きさは変わります。
正体がまだわからなければ、音やフンで先に見当をつけておくと探す範囲をしぼれます。

屋根裏への侵入口になりやすい場所
まずは、侵入口になりやすい場所を一覧で見てください。
| 場所 | チェックすること | 入ることがある動物(例) |
|---|---|---|
| 屋根と外壁のすき間 | 軒の裏の割れやすき間 | ハクビシン、イタチ、ネズミ、コウモリ |
| 瓦・屋根材 | ずれ、割れ、浮き | ー |
| 換気口・通気口 | 網やガラリの破れ | ハクビシン、ネズミ、コウモリ |
| エアコン配管の穴 | 穴のまわりのすき間 | イタチ、ネズミ、コウモリ |
| 電線の引き込み口 | 穴のまわりのすき間 | ネズミ |
| 雨戸の戸袋 | 戸袋の上や中のすき間 | ネズミ |
| 基礎・床下 | 床下換気口の網、基礎のひび | ハクビシン、ネズミ |
動物の欄は、自治体などの資料に例として出ているものです。
ここにない動物が入らないという意味ではありません。
屋根と外壁のすき間(軒下・軒天)
屋根と外壁のつなぎ目は、よく侵入口になる場所です。
多くの自治体が、軒下や屋根と壁のすき間を侵入口の例に挙げています。
町田市の資料では、「屋根の組み合わせの隙間」から入る例が紹介されています。
同じ資料によると、相談は築40年以上の建物に住む人から多く寄せられました。
見るのは、軒天(のきてん:軒の裏側に張ってある板)の割れやはがれです。
破風板(はふいた:屋根の三角部分のふちの板)とのすき間も見ておきます。
家のまわりを歩きながら、下から見上げて次の点を確かめます。
- 軒の板に、割れ・はがれ・すき間がないか
- すき間のまわりに、黒っぽいこすれた跡や毛がないか
- 2階の軒は、双眼鏡を使えば地上から確認できる
黒っぽい跡は、動物が何度も通るうちに体の汚れがついたものの可能性があります。
瓦のずれ・割れ
瓦がずれたり割れたりしていると、そこがすき間になることがあります。
見るのは、地上や2階の窓から見える範囲だけで十分です。
- 台風や地震のあとに、ずれている瓦がないか
- 屋根には上らず、見えない所は屋根の点検ができる業者にまかせる
換気口・通気口
屋根の三角部分の壁には、屋根裏の空気を逃がす換気口がついている家もあります。
この網が破れたり外れたりしていると、そこが入り口になります。
外から見上げて確かめたいのは、次の3点です。
- 網やガラリ(羽根板の覆い)に、破れ・さび・外れがないか
- 網の目が、入っている動物より大きくないか
- 台所や浴室の換気扇のフードに、すき間や破れがないか
東京都保健医療局の読本は、格子が1.25cm以上なら1cmほどのものに替えるよう案内しています。
エアコン配管・電線の引き込み口
エアコンの配管を外壁に通す穴は、すき間ができやすい場所です。
穴をふさいでいるパテが、やせたりはがれたりしていないかを見ます。
イタチがエアコンの配管から入ることがある、と案内する自治体もあります。
電線の引き込み口も、同じ読本でネズミの侵入経路に挙げられている場所です。
電線の引き込み口は、見るだけにして電線には触れないでください。
すき間が大きい、電線の被覆が傷んでいるといった場合は、電力会社か電気工事店に相談します。
雨戸の戸袋
雨戸をしまう戸袋も、この読本がネズミの侵入経路に挙げている場所です。
雨戸を出し入れするときに、フンや汚れがないか見ておくと早く気づけます。
基礎のすき間・床下
基礎のすき間や床下の通気口も、読本ではネズミの侵入経路のひとつです。
ハクビシン対策では、縁の下もふさぐ場所のひとつに挙げられています。
床下換気口の網の破れと、基礎のひび割れを見ておきましょう。
屋根に上るルートも確認する
動物は、屋根まで上れるルートがあるから侵入口にたどり着けます。
侵入口とあわせて、屋根に上る「足がかり」も探します。
- 雨どい:イタチは雨どいを伝って登る。ハクビシンやアライグマも雨どいや柱を登る
- 電線:ハクビシンやアライグマは電線の上を歩くこともある
- 庭木:屋根やベランダにかかった枝を伝って入る
屋根に届く庭木の枝を切っておけば、上るルートをひとつ減らせます。
侵入口を見つける手順
見ていく順番は、次のとおりです。
家の外を一周して痕跡を探す
昼間の明るい時間に、家のまわりをゆっくり一周します。
次のような痕跡があれば、その近くに侵入口があるかもしれません。
- 外壁や軒の黒っぽいこすれた跡
- 引っかかった毛
- 爪でひっかいたような傷
- 地面や窓の下に落ちているフン
- かじられた跡
夕方に出入りを観察する
コウモリは、日没後まもなく巣から飛び出してエサを探しに行きます。
夕方に軒下を見ていると、出てくる場所がわかることもあります。
ハクビシンなども夜に出かけるので、暗くなるころの観察が手がかりです。
紙を軽く詰めて出入りを確かめる
侵入口らしき穴に、丸めた新聞紙を軽く詰めておく方法もあります。
翌朝に紙が押し出されていれば、そこが通り道と考えられます。
詰め方は、動物が押せば出られる程度のやわらかさが目安です。
かたく詰めると、中にいる動物を閉じ込めるおそれがあります。
ふさぐ前に必ず確認すること
侵入口を見つけても、すぐにふさぐのは禁物です。
先に次の3つを確かめます。
中に動物が残っていないか
中にいるままふさぐと、閉じ込めた動物が中で死んで悪臭の原因になるおそれがあります。
自治体の案内も、追い出したあとでふさぐ順番です。
- 数日間、天井裏から物音がしないか聞く
- 紙を詰めた穴が、数日たっても押し出されていないか見る
- コウモリなら、日没後に出ていくのを見届けてからふさぐ
追い出し方は「屋根裏の動物を追い出す方法」の記事にまとめています。

子育ての時期ではないか
子育て中は、親が出ていっても子どもだけが屋根裏に残っていることがあります。
ハクビシンの出産期は3〜12月と長めです。
コウモリは、夏の出産期と冬眠期は追い出しが難しいとされます。
小さな鳴き声が聞こえるなら、自分でふさがず業者か自治体に相談しましょう。

捕まえない・傷つけない
ハクビシン・アライグマ・イタチ・コウモリは、鳥獣保護管理法で守られている動物です。
捕獲には原則として許可が必要なので、追い出してからふさぐ手順を守ります。
賃貸住宅なら、ふさぐ前に大家さんや管理会社への連絡が先です。
自分でふさぐときの材料と選び方
ふさぐ材料は、場所と動物の大きさで選びます。
材料の一覧
| 材料 | 向いている場所 | ポイント |
|---|---|---|
| 金網(ステンレス製など) | 換気口、軒下、床下換気口 | 空気を通したまま防げる |
| パンチングメタル | 換気口、軒天の割れ、戸袋 | 穴のあいた金属板 |
| 防獣・防鼠パテ | 配管の穴のまわり | 形に合わせて詰められる |
| 金属たわし・亀甲金網 | 小さく不規則なすき間 | 丸めて詰める |
| モルタル | 基礎のひび、配管の貫通部 | 床下まわり向き |
| 防鳥ネット(目の細かいもの) | コウモリが出入りする軒下 | 広い範囲を覆える |
ねずみ防除読本では、戸袋に亀甲金網や金属たわしを詰める方法が紹介されています。
基礎や配管の部分は、モルタルなどを詰める方法です。
網の目は動物の大きさに合わせる
網の目が粗いと、小さな動物はそのまま通り抜けてしまいます。
- ネズミ:1cmほどの網目
- コウモリ:5mmほどの網目。防除の業界団体の資料では5.25mm目の金網が例に挙がっている
- イタチ:網目の細かい金属製のネット。3cm四方の穴を通れるので、それより十分小さい目にする
- ハクビシン:目が広がらない金網で覆う
正体がはっきりしないときは、細かい目を選んでおくのが無難です。
金属製を選ぶ
ネズミはやわらかい素材をかじって穴を広げます。
ねずみ防除読本も、すき間には金属たわしや亀甲金網を埋め込む方法を挙げています。
発泡ウレタンなどのやわらかい充てん材だけでふさぐのは避けたほうが無難です。
屋外で使う金網やパンチングメタルは、さびにくいステンレス製が向いています。
パテは「防鼠用」と書かれたものを選ぶ
配管の穴に使うパテは、防鼠(ぼうそ)用など、かじられにくさをうたったものを選ぶと失敗が減ります。
そろえておく道具
- 厚手の手袋(金網の切り口でけがをしやすい)
- マスク、ゴーグル
- 金切りばさみ
- 電動ドライバーとステンレスのビス
- シーリング材とコーキングガン
- メジャー、油性ペン
侵入口のふさぎ方の手順
基本の流れは、どの場所でも同じです。
- 動物がいないことを確かめる:数日間物音がしないか、紙が押し出されないかを見る
- まわりを掃除・消毒する:フンや汚れを取りのぞく。ふさぐ前の消毒をすすめる自治体もある
- すき間の大きさを測る:縦と横を測り、ひとまわり大きく材料を切る
- 材料を固定する:ビスで留め、ふちのすき間をパテやシーリング材で埋める
- 1週間ほど様子を見る:音や新しい痕跡がないか確かめる
イタチがいなくなってからも、1週間ほどは対策を続けるよう案内する自治体もあります。
フンの掃除では、マスクと手袋を着け、素手でさわらないようにします。
換気口・通気口のふさぎ方
換気口は、屋根裏や床下の湿気を逃がすための空気の通り道です。
パテや板で完全にふさがず、金網かパンチングメタルで覆うのが基本です。
- 今ついているカバーや網の破れを確認する
- 換気口よりひとまわり大きく金網を切る
- 外側からかぶせ、四隅をビスで留める
- 金網と外壁のすき間を、シーリング材で埋める
エアコン配管まわりのふさぎ方
エアコン配管が通る穴は、パテで埋めるのが基本です。
- 古いパテがやせていれば、ていねいに取りのぞく
- すき間が大きい場合は、先に金属たわしを詰める
- 上から防鼠用パテを押し込み、すき間なく覆う
配管の保温材を傷つけないよう、刃物は使わず手で作業します。
電線の引き込み口は、自分で作業しないでください。
ねずみ防除読本には、不燃性のパテでふさぐ方法が載っています。
ただ、電線のそばの作業は、電力会社か電気工事店に相談するのが安全です。
屋根と外壁のすき間のふさぎ方
軒下のすき間は、金網を折り曲げて差し込むか、パンチングメタルで覆います。
同じ読本にも、屋根下のすき間に金網を折って差し込む方法が載っています。
2階の軒下は高所作業になるので、次の章を読んでから判断してください。
戸袋・床下のふさぎ方
戸袋のすき間には、丸めた亀甲金網や金属たわしを詰めます。
床下換気口は網をかぶせ、基礎のひびや配管の貫通部はモルタルで埋めるのが一般的です。
高所の作業は無理をしない
屋根まわりの作業で、いちばん気をつけたいのが転落です。
脚立・はしごの事故は60〜70代に多い
国民生活センターが2019年に公表した資料では、脚立やはしごからの転落事故は433件でした。
そのうち半数以上(236件)が60〜70歳代で、約半数は入院が必要なけがでした。
事故の約8割は屋外で起きています。
自分で作業するときの注意
事故の調査をしている公的機関は、次のような注意をよびかけています。
- 一人きりで作業しない
- はしごの上では作業しない。2階の軒下など脚立で届かない所は業者に任せる
- 脚立の天板には乗らない・座らない・またがらない
- 開き止めを確実にロックし、平らでかたい地面に置く
- ヘルメット、動きやすい服、すべりにくい靴を着ける
- 「あと少し」と無理に手を伸ばさない
自分でやってよい範囲の目安
- 自分でできる:地面に立って手が届く床下換気口、1階のエアコン配管の穴、戸袋
- 業者に頼む:2階の軒下や屋根の上、瓦のずれ、脚立の天板近くまで上る作業
- 電力会社や電気工事店に相談:電線の引き込み口まわり
慣れていない人が屋根に上るのは危険なので、屋根の上の作業は業者に任せましょう。
業者に頼んだほうがいいケース
次のような場合は、自分でふさぐより業者に任せるほうが確実です。
- 侵入口がどこか見つからない
- 侵入口が2階の軒下や屋根の上にある
- 天井裏から子どもの鳴き声がする
- 一度ふさいだのに、また物音がする
- 天井にシミがあり、フンや尿の掃除と消毒も必要
侵入口は1か所とは限らず、ひとつふさいでも別の穴から入られることがあります。
業者なら屋根裏の中からも侵入口を確認でき、見落としが減ります。
自治体の案内でも、捕獲後の消毒や侵入口をふさぐ作業は、専門業者への相談が前提です。
調査や見積もりを無料で行う業者もあり、費用を確かめてから依頼するかを決められます。
費用の目安は「屋根裏の動物駆除はいくら?」の記事にまとめています。

よくある質問
ハクビシンは屋根裏のどこから入る?
軒下や換気口、縁の下などのすき間が侵入口になります。
8cm四方ほどのすき間があれば通り抜けられます。
雨どいや電線、庭木を伝って屋根まで上るので、上るルートもあわせて見ておきましょう。

新しい家でも動物は入る?
新しい家でも、換気口や配管の穴のまわりにすき間があれば入り込むことがあります。
特にコウモリは6mmほど、ネズミは1cmほどのすき間から入れます。
築年数にかかわらず、換気口の網と配管まわりは一度見ておくと安心です。
ふさいだのに、また物音がするのはなぜ?
ほかにも侵入口があるか、ふさいだ材料が破られた可能性があります。
中に動物が残ったままふさいでしまったことも考えられます。
物音が続くなら、ふさいだ場所をすぐに確認し、業者か自治体に相談しましょう。
市役所で侵入口をふさいでもらえる?
調べた範囲では、侵入口をふさぐ作業まで行う自治体の案内は見当たりませんでした。
川越市は専門業者への相談を案内し、費用は建物の所有者の負担としています。
武蔵野市は、家を建てた工務店や、防除の業界団体への相談をすすめています。

まとめ
- 通れるすき間の目安は、ハクビシン8cm、イタチ3cm、ネズミ約1cm、コウモリ約6mm
- 探すときは、黒いこすれ跡・毛・フンを手がかりに、屋根に上るルートも見る
- ふさぐのは動物がいなくなってから。高所と電線まわりは自分で作業しない
まずは晴れた日の昼間に家のまわりを一周して、換気口の網と配管の穴から見てみてください。
高い場所に侵入口がありそうなら、無理に上らず業者の調査を頼むのが安全です。
参考にした情報
- 農研機構「ハクビシンは狭い隙間から侵入できる」
- 国立環境研究所 侵入生物データベース「ハクビシン」
- 東京都保健医療局「都民のためのねずみ防除読本」
- 横浜市「ネズミについて」
- 江東区「ハクビシン・アライグマによる被害を防ぐために」
- 渋谷区「ハクビシン・アライグマによる被害を防ぐために」
- 西東京市「ハクビシン・アライグマ」
- 三鷹市「ハクビシン、アライグマへの対策」
- 武蔵野市「ハクビシンが家に住み着いた場合」
- 町田市「アライグマ・ハクビシン(どこから屋内に侵入してくる?)」
- 川越市「アライグマが屋根裏に入って困っています」
- 大阪市東成区「イタチでお困りの方へ」
- 豊中市「イタチによる被害の対策について」
- 北九州市「よくある相談と対策【コウモリ】」
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- 環境省「鳥獣保護管理法の概要」
- 国民生活センター「高齢者の脚立・はしごからの転落事故」(2019年3月公表)
- NITE「はしご・脚立の事故」
